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牧場物語へトリップⅡ

第15章 夏 十四日目


「ハハ、本当にあの時と同じだな。でも、嬉しい。俺もサクラを愛しているからな。あ、そうだ。コレ受けってくれ。」

右手の薬指に嵌めてくれたのは、彼の紋章が刻まれた指輪だった。

「やっと、渡せた。なぁ、サクラ。俺を選んでくれてありがとう。一生大事にするから。だから、俺と結婚してください。」
「はいっ!!」

ゲームの世界と同じ様に、キスして愛を確かめ合った私たち。あの時と同じ、彼の腕の中で微睡ながら彼の声を聞いている。

「マグ、覚えてるか?」
「はい。」
「アイツ、村から追放された。」
「ど、どうして?」
「俺の工房に火を付けた。」
「えっ・・・。」
「代わりのモブって言うのか?女神が用意するから問題ないらしい。で、そのモブっていうのが・・・サクラの同僚の男。あの女傑と言われていた人と移り住むらしい。」
「で、でも・・・。どうしてそんな・・・。」
「避妊せずに、子を作ったらしい。親と同じくらいの相手によくやるよな。」

言葉にならなかった。一体、あの人は何をしているのだろう。

「じゃあ、この世界の先輩はどうなるの?」
「左遷させた後、自然とこの世界からフェードアウトらしいな。サクラに今まで、嫌がらせやって来たんだろ?自業自得だ。」

そうか、ちゃんと検討してくれていたのか。それは嬉しい。

「で、ここから相談なんだが。」
「同棲は必須として、ここの裏地に畑を作れるらしいんだ。そこそこ広い敷地なんだが、現実での農作業やらないか?仕事を続けたいと言うのなら、俺はサクラの気持ちを尊重する。俺の気持ちとしては・・・あ、いや、何でもない。まぁ、生活の方は俺が何とか出来るから好きにすればいい。」
「畑・・・やりたい。」
「そうか。女神も俺も喜ばしい。では、明日にでも会社に報告だな。それと、結婚式なんだが・・・今回は特例で、あっちの世界で行えることになった。家族は・・・ま、それらしく言いくるめるとして、何とかしよう。」

家族・・・私は両親と兄がいる。何って言うかな・・・いや、いっそ強硬手段でいいんじゃないかな?トーヤさんを紹介はするとして・・・。

彼は一つだけ、サクラに言わなかった事がある。等価交換。それは人も同じ。トーヤがこの世界に来ることを選んだことによって、変わりにあの男をゲームの世界に縁を作らせた。

しかし、それはあの男の行動が故も含まれている。

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