第2章 春 一日目
家に設置されている出荷箱に入れておけば、後は集配は担当者がやってくれる。ストーンさん要望通りに三種類の原石を出荷しておいた。
「そろそろ日が暮れそう。夕飯、何にしようかなぁ。ウチの冷蔵庫三個あるし、中身も充実してたんだよね。温野菜とハンバーグ・・・スープも欲しいし。」
ウキウキとキッチンに立っては、一人分の料理を作った。そうそう、ウチの工房には全種類の機材が設置。原石の採掘にハマった結果、早い段階で機材を揃えることが出来たんだ。
ん?誰か・・・来た?
玄関に行くと、何やらメモを持った住民のフルーさんがいた。この人は、村の郵便を生業にしている。二十二歳の独身イケメンさん。
「これ、注文票です。これからはポストに入れる様にしますから、確認してくださいね。」
そう言えば、そういうのがあった。村の住人からの出荷のお願いの内容が書かれたメモだ。これを達成すると、住人からの親密度が上がり仲良くなれるんだ。
「キャベツにサクラカブ・・・チューリップのお花に・・・ミルクプリン。」
「あの・・・サクラさん。個人的にミルククリームお願いしてもいいですか?」
そう言えば、フルーさんの趣味はパン作り。それも、クリームパンが好物だった。二つ返事で承諾すると、満面の笑顔を見せてくれた。フルーさん推しが見れば、発狂していたかもしれない。
フルーさんを送り出し、夕飯を食べた後は入浴。一人暮らしにしては大きな浴室だ。そう言えば、どういう仕組みか分からないけど入口のボタンを押せば、掃除が出来るんだ。トイレも然り。女神様、感謝します。
一年中栽培出来る亜麻や綿なども頑張って育てよう。今着ている室内着の肌触りが心地いい。服飾店に持って行けば、好みの服を作ってくれる。それも楽しみの一つだ。
ご飯も美味しかったし、自然も堪能出来た。住人に意地悪な人はいないし、あ、でも・・・最初はそっけなかったっけ。親密度って大事なんだなぁって思ったものだ。
たまに、お裾分け貰ったりする。勿論、私もプレゼントするけど。だから、住人の好みを把握するのは最初の段階で力注いだっけ。
さ、今日は明日からの為に早めの就寝にしよう。本格的に頑張るぞ!!