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牧場物語へトリップⅡ

第12章 夏 五日目


「トーヤさん、そこの砂場で潮干狩りして来ますね。」
「あんまり遠くに行くなよ?」
「は~いっ!!」

言われた通りに、トーヤさんの姿が見える範囲での潮干狩り開始だ。面白い様にネットの中に、収穫した浅利や蛤が増えていく。

そんな私の視界に、人の影が見えてそのまま顔を上げた。

「トーヤさん?」
「サクラ・・・ここらの貝を根こそぎ持ち帰ろうとでもしているのか?」
「えっ?あ・・・つい夢中で。」
「その辺でもういいだろ?十三時になったから、今から一時間昼休憩だ。」

二人で木陰で食事を取る。昼食は紫陽花亭の二人が炊き出しをしてくれて、潮風も気持ち良くてたくさん食べることが出来た。

「それで、後は何をするつもりだ?」
「後は釣りにします。」
「そうか。なら、俺の傍にいろ。」
「はいっ!!」
「ホント、嬉しそうな顔するな。」
「嬉しそうじゃなくて、嬉しいんです。」
「そうかよ。そろそろ時間か。その前に・・・。」

それは一瞬だった。潮の香りがするキスをされたのは・・・。

「んんっ!?んんんっ・・んっ・・・んんっ!!?」

直ぐ傍に人はいないけれど、私の唇を貪るトーヤさん。

「ト、トーヤさんっ、ここは、そ、外でっ!!?」
「酸素補給したか?」
「えっ?それって・・・。」
「コラ、逃げるな。別にキスくらいいいだろ?ホ~ラ、口開けろ。拒否なんか無駄なことするな。」

再び貪られては、少々、息も絶え絶え。

「そろそろ戻るか。」

彼はマイペースである。私の手を引いては、岩場へと戻っていく。

「ん?それは?」
「獲れたてホヤホヤの浅利の身を餌にします。」
「ある意味、本格的だな。」

でも、その餌は思った以上に食いつきが良くて、大量の釣果を得られた。

「なぁ、サクラ。これらの魚って、紫陽花亭で引き受けるんだよな?」
「そうですね。暫くは、美味しい魚料理が紫陽花亭で食べられるんですよ?」
「そうか。で、サクラは?」
「捌くだけやっておいたんで、後は家に帰って干物にします。いいサイズの魚が釣れましたから楽しみです。」
「手際がいいな。それに、あの雲丹と貝もだよな。サクラが殿堂入りしたっていうのも頷ける。」

イベントの結果は、トーヤさんは二位。あの告白男?が三位だった。では、誰が一位だったか・・・。これまた意外にも、女医のノアさんだった。





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