第1章 1.夢の終わり
「……のことも誰のことも、責めてない。それだけは分かってね」
「ひぐまん、ありがとう。高校になっても部活続けてね。新山女子、絶対行くんだよ」
徹とは、繋がっていたバレーという共通項がなくなり、かつてのような親しさで話すことは減った。飛雄ともそれは同じだった。と言うよりも、私が避けた。後ろめたさは少なからずあったからだ。
バレーで使っていたシューズやウェアも色紙と思い出と一緒にクローゼットに閉まった。二度と開けることはないとは思うけど、それを捨てるほどの勇気はなかった。
しかし、しばらく月日がたってもどうにもバレーへの情熱は再燃しなかった。床が滑った感覚、転んだときの衝撃を思い出すとバレーが怖くなったのだ。
だから、私は烏野高校に進学することにした。進学クラス。バレーをしないなら、何となく大学には行っておこうと思ったから。理由はそれだけだった。