第9章 9.最後の戦い
家に帰ってからは、今日の出来事を振り返っていた。
あの青城に烏野が勝ったこと、そして徹の敗北を目にしたこと。すごく嬉しいけど、苦しい気持ちが共存していることでようやく気が付いた。徹の元へ一刻も早く駆けつけたかったし、声をかけてあげたかった。
私、徹のことは思った以上に大切だったんだな。
たった3年しか一緒にいなかったけど、そんな中学の3年間はとても濃厚なものだったのかもしれない。そしてこの約半年間も。
ケガで塞ぎ込んでいた期間は長いけど、また巡り廻って縁が出来たことに感謝した。
やっぱりバレーボールは私にとって人生そのものなんだ。
明日、ちゃんと伝えよう。
私は、一人、笑顔の仮面の下で戦う君が好きなんだ。