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彩雲の糸

第4章 4.夢を見る資格


 西谷に促されて体育館へ向かおうとしたときに、旭は付け加えた。
「上手くいかなくてもきっと、そのときは仲間が助けてくれる。バレーが好きなら、やるべきだよ」
 旭は体育館を見つめていた。迷いなく、真っすぐに。
「……楽しいと思うけど、それって好きだと思っていいのかな」
「は意外とネガティブだよな。難しく考えすぎだよ」

 バレーが好き――随分と前にしまい込んだ気持ちだった。マネージャーになってからは楽しいと思えることは多かったけど……。
「好き、か」

 簡単にバレーを捨てた私はバレーが好きだったのか。何となくマネージャーを始めたものの、特に自分の感情に耳を当てずにこの1年を過ごして来た私は、今になって訪れた変化に戸惑っていた。
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