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彩雲の糸

第3章 3.再会


「次のインハイ予選、負けないからね」と、徹が別れ際に宣戦布告をする。
「うん、うちの男子たちも頑張るよ」
「インハイ予選が終わったら、今度はと別の所にも行きたいなー」
 そう言って私たちは解散した。友達に戻ったから、また次があるんだなと、ぼんやりと思った。次に会う時も徹は笑顔なのだろうか。


 翌日、昼休みにたまたま自販機前で飛雄と会った。いつものぐんぐんヨーグルを買い終えたところのようだ。私を見るや否や、口を開く。
「さん、及川さんと付き合ってるんですか!?」
「え? なんで?!」
「噂で聞きました」
 どうりで周りから視線を感じるわけだ。昨日の校門での件が原因だろう。
「あー違うの。違うからね!」
「そうですか……昨日一緒に帰ったって聞いて……」
「徹に用があったのは本当。でも、友達であってそういう関係じゃないよ」
「そっか……。そうなんですね。失礼します」
 私は小走りで去っていく飛雄の背中が見えなくなるまで見つめ続けていた。
 飛雄があんなに慌てて聞いてきたのはなぜだろう。やっぱりライバルの先輩の動向は気になるものなのだろうか。
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