第4章 VI * アルミン・アルレルト
を乗せた荷車が、速度を緩めて停車した。
門を潜ってからの街並みは、日本とは似つかない木造や煉瓦造りの建物を多く目にしていた。
それに人々を見ても、文明的ではない、そう感じた。
到着した建物は重厚な煉瓦の門構えで、入り口の門には、大きな旗が掲げられている。
恩人達の背中にも同じ紋様が描かれていた。
「さぁ、到着したよ。えっと…そうだな。アルミン!君にこの人…、まだ聞いていなかったね、貴方の名前は?」
の心臓がひとつ大きな音を立てた。
あの天使の再来に期待をしてしまう。
さっきまでのヘコみ具合もどこかへ飛んでいきそうで、我ながらゲンキンだと少し思う。
『です』
「の案内を任せる、頼んだよ!」
「え、はい。了解です」
の癒やしタイムは再び訪れた。
あぁ、神よ、ありがとう。
に信仰する宗教はないけれど、どこぞの神様に感謝を伝えた。
「よろしくお願いします。アルミン・アルレルトです」
『です。よろしくお願いします』
アルミンに片手を差し出されて、は秒速で握り返した。