第2章 Ⅱ*リヴァイ・アッカーマン
先に飛び出したのはだった。
ガスを噴射して、避ける間も与えない速度で懐へ入り込む。
男が半歩下がると、脆くなった床が抜け落ち、足を取られバランスを崩した。
「…チッ、クソが!」
はそれを見逃さなかった。
男に馬乗りになるとブレードを首元へ押しあて、男はの首元へナイフの刃をあてた。
お互いの首元は薄く切れ、鮮血を滲ませた。
の異常な興奮状態は、最高潮に達してしまった。
艶やかな唇から、艶めかしいため息が零れた。
目の前の男の胸元に片手を添えると、ド直球な言葉をぶつけていた。
『私…あなたを抱きたいみたい』
男は理解が及ばなかった。
やはりただの危ない変態女だと、禄でもないのに絡まれたと思った。
「痴女かてめぇ…」
すると周囲が騒がしくなり、小屋の壊れた扉から呆れた顔をしたエルヴィンの顔が覗いた。
「、そこまでだ…」
は男に馬乗りになったままの姿勢でエルヴィンに視線を移す。
その表情と姿にエルヴィンですら生唾を飲み込んだ。
あまりにも妖艶な表情をしているがいた。
は今一度男に視線を移すと、小さく息を漏らした。
立ち上がって男の腕を引いた。
『抵抗しないで』
外からは男の仲間だろうか、騒いでいる声が響いていた。