第2章 Ⅱ*リヴァイ・アッカーマン
エルヴィンによる勧誘が行われた。
捕らえられたのは三人。
手首を後ろ手に縄で縛られて、跪かされている。
はエルヴィンの後に立ち、それをただ黙って見ていた。
視線の先は、男と同様にエルヴィンを捉えている。
邪魔をする事は決して許されない。
しかし、目の前で拘束されている、抱きたいと思わせる程に惹かれる男。
それを"好きに"するエルヴィンに、激しく嫉妬心を抱いた。
その表情は気持ちとは裏腹に、冷えたものだった。
勧誘が終わり、ナイフで縄を切る。
小柄な男の名は"リヴァイ"と言う。
ハンカチを取り出しリヴァイに渡すと、怪訝な表情で睨まれた。
『心配しなくても綺麗よ』
リヴァイはからハンカチを受け取ると、顔を洗いに立ち上がった。
他の二人の縄も切ると、女の子がに声をかけた。
「…あんた乳すげぇな…どうやったらそんなに育つんだ…」
と自分の胸をさすっていた。
は谷間を派手に晒したままだったと気が付いた。
顔をあげるとミケと他の二人もの谷間を見ていた。
外套はとうに破けどこかに落ちている。
はエルヴィンの外套を奪うって羽織った。
「…自由すぎるだろ」
「…仕方がない」
ミケは呆れ、エルヴィンは苦笑いをしていた。
"ゴロツキ"三人を兵団に連れ帰る事になり、荷物をまとめに彼らの家へ同行する。
ただ素直に感心した。
彼らの住む家の中は、地下街とは想像もつかない程に綺麗で、清潔感の溢れるものだった。
『凄いわね、とても綺麗』
「兄貴が綺麗好きだからな」
『…あなた名前は?私は』
「…イザベルだ」
『そう、イザベル。よろしくね』
イザベルはあまりにも普通に笑いかけてくるに、すっかり毒気を抜かれていた。
「あんた…そんな顔で笑うんだな」
『笑うわよ、普通に。イザベルは笑わないの?それとよ』
「そっか…。よろしくな」
『うん、よろしい』
その表情が視界に入ったリヴァイは目を瞠った。
変態女が、あまりにも良い笑顔で笑っていたから。