第3章 R18ゼロの距離(黒尾)
「この前は隣りの席のヤツで、その前は夜久だっけ?」
「……よく知ってるわね。」
話しながらグラスに注がれた冷たい麦茶を喉を鳴らし飲み下す。そりゃ、知ってるわ。
「…なんで彼氏作らないんだよ、何か困ることでもあるのか?」
「…え。別に作る必要無いでしょ?」
「セックスはするのに?」
「だって気持ちいいじゃない。」
「ふーん…。」
「男の子は皆好きでしょ?エッチな事するの。」
横から伸びてきた細い指先が俺のネクタイを摘み、慣れた手付きでゆっくりとそれを解く。の言う通り、男ってのは単純で、性欲に関しては特に従順だ。コイツはそれをよく理解しているからか、スイッチを入れるのが上手い。誘うような強気な瞳。俺はこの目が好きだ。
「…まぁな。」
白い頬に手を添えてやると、自然と顔の距離は縮み触れ合う唇。柔らかくて少し濡れていて、暖かい。舌を差し伸べ端から端へと伝わせてやればそっと開く唇を割り咥内に差し込み弛緩に舌の表面同士を擦り合わせ、歯列をなぞる。
「んンっ、ふ…ぁ…。」
時折漏れるのくぐもった声と、唾液が絡み小さく響く水音が鼓膜を揺らし劣情を煽る。薄く目を開くと緊張してるみたいに強く閉じられたの瞳。頬は徐々に朱へと染まる。柔らかな舌同士を絡め外へ引っ張り出し唇で挟み、吸い上げる。これがは好きらしく、いつも身体がピクリと小さく跳ねるのが可愛い。
そのまま唇を離してやるとはゆっくりと瞼を持ち上げ濡れた瞳で俺を見た。
「鉄郎……しよ?」
「…床じゃ背中擦るだろ、ベッド。」
「ん。」
の背中と膝裏に腕を差し込み抱き上げる。…相変わらず軽いな。ちゃんと食ってるのか心配になる。真後ろのベッドへ身体を下ろし、すぐ様その上に跨った。そういえば制服のままって初めてだな。
「…なぁ、着たまま抱いて良い?」
「……変態なの?」
「折角着てるんだからいいだろ?着衣プレイ。」
「馬鹿…ひゃっ!冷た!」
制服の裾から手の平を差し込むとの肩が大げさな位跳ねた。さっき冷えたグラス持ったからか。
でも、今さら止められる訳もない。忍ばせた片手をゆっくりと持ち上げ、真っ白なシャツを捲っていく。細身の身体が露になり白い肌に生える、黒の下着。…エロいな。