第4章 友達以上。恋人未満(木兎)
「…ずっと好きだった。ほかのヤツなんて辞めて、俺と付き合ってクダサイ。」
「……うん、よろしくね木兎。」
踵を上げ、頬に唇を寄せた。高いリップ音を立て離れると木兎は一瞬ポカンと唇を開いた後周りに花が咲きそうな程満面の笑みを浮かべ私の事をこれでもかってくらいに力強く抱き締める。このギャップ。
「っあー!可愛いなァもう!!すげー好きだった、ずっと!3年間だぞ3年間!もーう我慢しねえ!」
「うん、うん、分かったから勉強しよ?」
「俺んちでやろーぜ!彼女になったんだからイイだろー?今日親いねーけど!」
「はいはい…はい?」
「はーい決まりッ!ほらほらさっさと準備しろー?」
「…全く。」
鼻歌混じりに教科書を鞄に詰める木兎。これから私はきっとこの男に振り回されるんだろうなぁ、と感じながらもそれも悪くないか、と思ってしまうのだった。
*友達以上、恋人未満。*
(あーあ…ついに木兎ですら彼女持ちかよ…。腹立つわ…。)
(赤葦はなんでフッたの?)
(木兎さんが彼女の事好きなのは知ってました。釘刺されてたので。)
((えっ。))
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物陰から見てた木葉、猿杙、赤葦でした。ちょっと策士な木兎推せる