第7章 放課後デート?
「あー、せやなぁ。彼女がおれば一緒にデートしたかったんやけどな。残念ながらまだ"彼女"ちゃうからな。
てかは?俺と2人で居るの嫌やない?」
『治君は嫌じゃないよ』
キッパリと答えた。
「・・・なら良かったわ。」
ストローで氷を突く治君のこめかみがほんの少し赤く染まっていて、また私が変な事を言ってしまったのかと思い少し不安になった。
けど、時折見せる治君の照れてる姿はちょっとだけ可愛いと思ってしまう。
それからお腹を満たした私達が向かったのはーーー
『ーーーあった!』
新刊コーナーに積み上げられ本を一冊手に取る。
うわぁ嬉しい♪
しばらくはこの本の世界観にどっぷり浸れる♪
数日前に好きな作家さんの新刊が発売され本屋に来たいと思ってた私は治君に頼んで着いてきてもらった
普段は図書館で借りるのが専門だけれど、好きな作家さんの本だけは特別だ。
ぎゅっと本を胸に抱え、鼻歌交じりに本屋の中をぐるりと見回す
ーーーー治君、どこかな?
広い本屋でも背の高い銀髪はすぐに目に止まった
ーーーー雑誌読んでる?
どんなものを読んでるのか気になってそっと近づいてみる
『・・・ん?バレーの雑誌?』
「うわっ、びびるやん!気配消さんといて?」
『あっごめんね、治君が真剣に読んでたから何読んでるのか気になって。』
「これか?月刊バレーボール、春高の特集載ってんねん。」
ほら、と読んでいたページを見せてくれた。
そこには今年度の注目選手が写真と共にインタビュー記事が載せられている
『凄い…同じ高校生とは思えない…。』
中には2m近い選手もいて目を疑ってしまう。
「せやな、けどどんな凄い奴でも同じ高校生や。
強豪高だろうが優勝候補だろうが関係あらへん、俺らがぶっ潰したんねん。」
普段ダウナーな治君もバレーボールの事となると負けず嫌いになるんだな…
新たな一面にフッと口元が緩む