第6章 片思い
なんか、新鮮かも、、、
お尻が多少痛いけど、後ろに座りながら流れる景色を見るのは何だか新鮮に感じる
治君、めっちゃスピード出すって言ったけど、むしろゆっくり走ってる気がする…
きっと私が怖がらないよう気を遣ってくれてるんだろうな…
それにちゃっかり後ろに乗っちゃったけど、、、
重いよね……。
今更申し訳なさが押し寄せてきて、掴んでいたシャツをちょん、と引っ張った
「どないした?」
『今更だけど…重いよね…?部活で疲れてるのに申し訳なくて…。』
「全然重くないで?軽過ぎてトレーニングにもならへんぐらいや。」
『・・・・それはないと思うけど…』
「そんなん気にせんでええって。俺がを送りたかっただけなんやから後ろで寛いどき?」
『さすがに寛げないかな…』
「はっ、それもそうやな。」
治君とは夏休みに入ってから一度も会って無かったし、話すのも久しぶりなのに肩の力を抜いて喋る事が出来る
宮侑と同じ顔なのにホント中身は全然違うなぁ…
柔らかそうな銀色の髪が風に揺れているのをぼんやり眺めながらそんな事を考えていると、
「・・・なぁ、何があったか聞いてもええ?」
治君が前を向きながら遠慮がちに聞いてきた
『・・・・・えっと、、、』
「あ、スマン…。別に言いたく無かったら無理に言わんでええから。」
顔を見なくても、今治君がどんな表情をしてるのかわかる気がする
治君が醸し出す空気感は心地良くて、他の人には話しづらい事も彼になら打ち明けられる気がするから不思議だ
だから1つ、聞いてみたくなった