第6章 片思い
アスファルトは昼間の暑さを残していて自転車を少し走らせただけでもじとっと汗ばんでくる
のんびり帰りたいところだけど、帰りが遅いとお婆ちゃんが心配するし早く帰ろう!
ペダルを漕ぐ足を早め家路を急ぐ。
数分走ったところで学校が前方に見えた時、ちょうど校門から見知った顔が出てくるのが見えた
長身でハーフの……
名前は分からないけど確か信ちゃんと仲良かった人だ‼︎
ーーーーて事はもしかして、、、⁇
信ちゃんセンサーが一気に反応し、ペダルを漕ぐ足がピタリ、と止まる
追い越してしまったら意味がない。
信ちゃんが来たら偶然を装って後ろから声を掛けようと計画を企んでいると
校門から1人、
『っ‼︎信ちゃ、、、』
信ちゃんとその隣にもう1人いる事に気付き、挙げかけた手を下ろした
ーーーーーえ、、、誰⁇
信ちゃんの隣にはジャージ姿の女子がいた
あのジャージって…女子バレー部?
信ちゃんと肩を並べて歩いていてもそれ程身長の差を感じないほどスラリとした長身の女の子。
モデルのようなスタイルにショートボブ、後ろ姿でも目を引く程キラキラしたオーラを出している
浮き足だった気持ちが一気に萎んでいき、完全に出るタイミングを失っていると、
その女の子が笑いながら信ちゃんの肩を叩いた
『っ、、、』
会話までは聞こえないけれど、2人が楽しそうに笑ってるように見えて
胸に痛みが走った