第5章 夏休み
すると突然、メガネがかき氷をベンチに置き頭を抱え出した
『〜〜っ』
「何や、どうかしたんか?」
『・・・あ、頭がキーンって、、、』
「そりゃいっぺんに食えば痛なるやろ。どれ、俺が手伝ったる。」
カップの半分ほどまで減ったかき氷を手に取り、パクッとひとくち口へ運んだ
「冷た、うまっ。」
かき氷はメロン派やけどたまにはイチゴも悪くない
2口、3口とスプーンを進めてくと、隣から刺さるような視線を感じた
あ、、、さすがに食べすぎたか?
とカップをそっとベンチに置くと、
『・・・・女たらし。』
「・・・は?何でそうなるん?かき氷食うてただけやないか。」
『スプーン!私のスプーン‼︎何で使うの⁈』
「いや、普通に使うやろ?スプーン使わな何で食べたらええねん。」
『そういう事じゃなくて‼︎そうやってサラッと間接キスするとこが厭らしいの!』
「間接キスで騒ぐとか小学生か!こんなんどこがやらしいねん。」
『なっ、、‼︎てかもう残りあげるからっ‼︎返さなくていい!』
北さんの隣を歩いとった清楚な彼女風はどこへやら、メガネはいじけるように頬を膨らませるとそっぽを向いた
ーーーほんまに小学生みたいやな
よし、もうちょっとイジったろ。
悪戯心に火がついた
「イヤらしいとか言われると間接キッスさせたなるなぁ〜?
あーん、したるさかい口開けてみ?」
『・・・は⁇いらないって言ってるでしょ⁇それよりこれ以上近くに来たら大声だすからっ‼︎』
「ほれ、"あーーん"」
プルプルと真っ赤な顔で怒るメガネの反応が面白くて強制的にスプーンを口元に近づける
『そっ、そういうとこっ‼︎あんたのそういうとこがホントに嫌なのっ‼︎』
「ほら大人しくせんと溢れるで〜?」
スプーンの先が唇に触れそうになった時、メガネが俺の手首をガシッと掴んだ
「あ、、、」
『っ、、、』
スプーンから溢れた氷がポタッと落ち、メガネの頬を濡らした
冷たい感触に驚いたのか華奢な肩がピクッと反応する