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バレーボール✖️恋

第5章 夏休み



近くのベンチがタイミング良く空いたところにすかさず腰を下ろした


「いやいや、そんな離れて座らんでもええややろ?誰も取って食ったりせんて!」


ちょこん、とベンチの端っこに座るメガネに突っ込みを入れる



『・・・・お気になさらず。』

「・・・ほんま可愛いくないやつやな。」

『別に可愛いく思われようとも思わないんで。』

「そーかそーか、相手が"信ちゃん"でも?」


メガネの肩がピクッと跳ねた
そんな反応を見ると余計に挑発したなってくる


「"信ちゃん"の前では恋する乙女やのになぁ〜?」

ニヤリ、と口の端を持ち上げて笑うと、


『・・・ーーー』


メガネは俯き何か呟いた

「ん?何て⁇」

声が小さくて聞き取れず、下を向いたままのメガネに耳を寄せる


『なっ、、何で、、、知ってるの、、?』

「・・・?知ってるって?何を?」

『〜〜っ、、、だから、、、その、、、』


モゴモゴと口籠るメガネ
そこでメガネの耳が真っ赤に染まってる事に気づいた

ーーーー何や、照れとるんか?

あんだけ信ちゃん大好きオーラを出しといて周りは気付いてないと思ってるんやろか…
頭良いくせに恋愛になるとダメなタイプなんやな。


ーーーーオモシロ。

新しいオモチャを見つけたような感覚にもっとメガネで遊んでみたくなる



「安心しい、俺は口堅いから誰にも言わへんで?」

メガネが顔を上げ、疑念を抱くように俺を睨みつけてきた


『・・・・そういうセリフ、ニヤニヤしながら言うと説得力が無くなるんですけど、、』

「気にせんといて?俺は元からこういう顔や。
あ、イケメンやからってあんま見んといてや?」

『・・・・。』

「そこは無視するんかい。」

『氷…溶けちゃうから。』


それまで照れてたのが嘘のようにいつもの無表情に戻ったメガネは溶けかけてきたかき氷をパクパクと口に運びだした


ーーーーーなんちゅうか、変わった女やな。

少なくとも自分の周りにいないタイプや。


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