第5章 夏休み
片割れが気になりつつも、ターゲットのすぐ近くまで来たところで2人は屋台の前で足を止めた
「いちご一つください」
かき氷を注文した彼女は黒色の長い髪を一つに結び膝下までのワンピースを着ていて、後ろ姿でも清楚な雰囲気が見てとれる
ーーーーてか今の…。
どっかで聞いた事ある声やな…。
侑は首を傾け記憶を辿るがいまいちピンとこない
ーーーあの手の大人しそうなタイプはあんま周りにおらんからなぁ
ん〜…誰やったっけ?
顔見たら分かるかも、ともう少しだけ近づいてみようとした時、
「おっ!侑やないか!久しぶりやなぁ〜‼︎」
「あらあら侑君⁈また背、伸びた?えらい男前になって〜」
知り合いのおじちゃんとおばちゃんが声を掛けてきた
「治は一緒ちゃうのか?珍しいなぁいつも一緒におるのに」
「いつも一緒ちゃいますよ。それ小さい頃の話やって、俺らもう高校生やし。」
「そう?ほんま早いねぇ、小さい時から2人はどこ行くにも一緒やったのにもう高校生だなんて。私達も歳取るわけやわぁ。」
おばちゃんにバシバシと背中を叩かれ、「ほな侑君またね〜」と喋るだけ喋ってどこかへ行ってしまった
そこでハッと気付く
ーーーーしまった、、、
あんな大きな声で名前呼ばれたら絶対、、、、
恐る恐るそーっと後ろを振り向くと、
「ーーー侑、来とったんか。」
案の定、バレてもうた