第5章 夏休み
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「サムー、俺たこ焼き食いたい」
「そうか、ほな自分で買ってこい」
「なんや冷たいなぁ。サムもたこ焼き食いたいやろ?」
「食いたいけどめっちゃ並んでるやん。腹減ったしとりあえず焼きそば買うてくるわ。」
「おっ、なら俺の分も買うてきてーや。俺その隣のじゃがバタ買うし。」
「せやな、ここは手分けして食料調達しよ。」
うしっ!とお互いの拳をぶつけ合う双子
行き交う人の流れに身を捩じ込ませようとした時、
「ちょ、ちょっ、あれ北さんとちゃう?」
「はぁ?見間違いやろ?北さんがわざわざ祭りなんか、、、、ってホンマや!北さんやな。」
屋台が立ち並ぶ通りは子供やカップルで賑わっているが背の高い北はすんなりと目に留まった
そして同時に2人の視線は北の隣へと向けられ……
「マジか‼︎北さん隣に女連れとるで⁇」
「うそやろ?彼女おったん⁇⁇」
食料調達を放棄した2人の視線は完全に北の動向へと向けられる
「ダメや、ここからじゃ北さんの頭しか見られへん!
サム、こうなったらバレへんように尾行して彼女の正体突き止めるで?」
「せやな、ツム。もしかしたら彼女の前ではデッレデレの北さんが拝めるかもしれへん。」
目を爛々と輝かせながら双子は興奮気味に人をかき分けながら進んで行く