第5章 夏休み
ーーーーつ、、疲れた、、、。
ホッと安心した一方、母に振り回された事で一気に疲労感に襲われる
それに汗で纏わりつくシャツが気持ち悪い…
『はぁ…。』
ため息と共に額に滲む汗を乱暴に腕で拭い店を出た
外に出るとすでに日は落ち、これからお祭りに行くであろう子供たちや浴衣姿のカップルが目に入る
いいなぁ……。
仲良く手を繋ぐカップルを横目に、とぼとぼと歩いていると、向こうから同じ年頃の女の子が2人歩いて来るのが見えた
可愛い柄の浴衣に小さな籠バックを手にし、髪も綺麗にセットされている
可愛い浴衣……
それに比べて私はーーーーー
汗だくで乱れた髪、Tシャツに楽チンなパンツ、薄汚れたスニーカー…。
自身のあまりに酷い姿に今更ながら恥ずかしさが込み上げる
すれ違い様、何かコソコソと言われるような気がして下を向いたまま足早に通り過ぎた
ーーー早く帰ろ。
帰ってシャワー浴びて今日はもう寝よう。
人の流れに逆らうように、1人足早に神社と逆の方向に足を進める
来年は行けるといいな…
そんな淡い期待を抱いて長い1日が終わる
はずだった