第5章 夏休み
あの日の事は今でも覚える
中2の夏、初めて親以外の誰かと行った夏祭り。
こっちに越して来てまだ慣れない私を信ちゃんが夏祭りに連れて行ってくれたのだ
多分おばさんに言われたから誘ってくれたんだろうけど、それでも嬉しかった
嫌な顔せず一緒にヨーヨー釣りをして、焼きそばやたこ焼きを食べて。
私のやりたい事、食べたいもの、全部一緒にやってくれた。
人混みに流されそうになった時はすかさず手を引いてくれる
そんな頼りになるところも、優しく笑う姿も、全部かっこ良くて。
そんな人の隣を歩く自分が何だかこの日だけはお姫様にでもなったように感じて…
凄く嬉しかった。