第5章 夏休み
「ーーー確認て?あ、そうや。」
信ちゃんが何かを思い出したようにポンッと手を打った
もしかして私の言いたい事が伝わったのかとパッと顔を輝かせると
「、治に勉強教えたんやって?お陰でテストの結果、良かった言うてたわ。」
『・・・・。』
「自分の勉強しながら人に教えんの、大変やったろ?」
『あ、ううん…大丈夫だよ』
口元に笑みを作ってみせる
「侑はまぁアレやったけど、のお陰で治は補習せんで良かったし、練習に集中出来とるで、ありがとうな?」
ーーーー相手は信ちゃんだ。
信ちゃんの頭の中はバレーボールの事でいっぱい……
きっとお祭りの事なんて頭にない。
誘ってくれるかも、なんて待ってちゃダメだ!
ここは勇気を出して自分から言わないと‼︎
そう自分に言い聞かせると、思い切って口を開いた
『合宿っ、、、‼︎』
「ん。明日からやな?」
『合宿から帰ってきたら、、、その、、、』
「・・・・?」
『えっと、、、』
「インターハイやな、いよいよ。」
『うん。そうだね、、、インターハイ、、、。頑張ってね、、、、』
「せやな、精一杯やるわ。」
結局、それ以上何も言えなかった
インターハイを目前に控えてるのに、遊びに誘うなんてって呆れられるのが怖かった
信ちゃんはそんな冷たい事は言わないだろうけど…。
ーーーー嫌われたくない
信ちゃんの負担にはなりたくなかった。