第4章 オリエンテーション合宿
昼飯作りでもしつこく俺に付き纏おうとする女子2人はうまい事行って離れさせた
美味い米炊ける女がタイプとか何とか言ったらさっさと釜戸の方へ走ってったし。
あとは新田に火の番を任せ、俺は1人で野菜を切ってるのとこへと足を向けた
「、俺も手伝うで。」
トントンと手慣れた手つきで人参を切っていた手が止まる
『治君…。』
何か言いたげに周りをキョロキョロと見回す。
きっと坂下達の事を気にしてるんやろな。
そんなん気にせんでええのに。
「あいつらなら新田のとこで米炊いとるから。
で、俺は何したらえぇ?」
『・・・・それなら…。えっと〜…包丁使った事、ありますか?』
「何回かはあるで?ほなじゃがいもの皮剥くわ。」
『えっ?大丈夫ですか⁇』
「俺を誰やと思うてんねん。」
『・・・・宮治君。』
「・・・・そ、そうやな。」
ーーーやば。
難問でも解くかのような難しい顔で首を傾けるの表情が可愛くて、心臓を鷲掴みにされた
ーーー何やこの感じ、、、
めっちゃ心臓ばくばくしてんねんけど…
動揺しとる自分を悟られたくなくての手から人参を奪い切ろうとした
その時
「痛っ、、」
包丁の先が指に当たり血が滲む
傷は浅いしこんなの大した事ないのには血相を変え救急セットを取りに行くと走って行った
ーーーもあんな風に焦ったりするんやな…。
水で血を洗い流しながらの顔を思い浮かべる
「・・・なんや、自分。中学生の初恋か…。」
自身にツッコミを入れキュッと蛇口を捻る