第4章 オリエンテーション合宿
それからすぐにのとこに戻るとデカいリュックの中をガサゴソと漁っていた
「荷物えらい重そうやなとは思ってたけど、救急セットなんて持ち歩いてたんか。」
『一応…何かあった時の為です…』
その時偶然大きく開いたリュックの口から中身が見え、思わず目を疑った
板チョコに懐中電灯、軍手に新聞……
トイレットペーパー⁇⁇
「ぶっ、、」
思わず吹き出しそうになるのを何とか堪える
どんだけ心配症なん⁈ハイキングで遭難する気やったん⁇
ヒクヒクと口元を引き攣らせていると、が慌てて自身のハンカチを傷口に当ててきた
どうやら血が垂れてたらしい。
綺麗に折り畳まれた薄いピンク色のハンカチ。
汚してしまうと思い指を引っ込めようとしたけどは指を離さんかった
『ハンカチより今は手当ての方が大事なんで…
バレーボールする人が指怪我したら大変です。』
そう話す彼女の顔は真剣で
眼鏡の奥の瞳から目が離せなかった
大きく澄んだ瞳
その瞳は誰を想っとる?
いつかの帰り道、偶然をバス停で見かけ、その時初めてと北さんが知り合いだった事を知った
と北さんという意外過ぎる組み合わせに驚いた
けど1番驚いたのはがまるで別人のような表情、顔つきで北さんと会話していた事やった
クラスではほとんど表情を変えないが、北さんの前では薄っすら笑みを浮かべ声も明らかに弾んでる
その場にいたツムや角名は気付かなかったんやろうけど、俺はすぐに分かった
だからつい、口走ってもうた