第4章 オリエンテーション合宿
「うわっ!⁈いつからそこにいたんや⁈」
「いつからって…最初からおったよな?」
治君に問われコクッと首を縦に振る
新田君は私の存在に気付いていなかったようで頬を赤らめて焦っている。
「マ、マジか⁈存在感薄っ‼︎てか治も気付いてたんなら早よ言えや〜‼︎俺だけめっちゃ恥ずいやん‼︎」
「お前が勝手に話振ってきたんやろ。」
「そうかもしれんけど……。
てかさ、前から思ってたんやけど、治とって何でそんな仲良いん?接点とかなさそうやけど…同じ中学とかやったん?」
「いや?ちゃうけど。俺が勝手に話し掛けとるだけやし。」
「・・・・治が⁇女子と絡むの面倒くさがっとる治が⁇」
「ん?あぁ…。そう言われてみるとそうやなぁ
何でやろ?はそう言う感じちゃうねん。」
うーん…と首を捻る治君と目が合い、つられて私も首を傾ける
治君の醸し出す空気感は嫌いじゃない
言い寄ってくる女子は沢山いるのにチャラチャラしないし、かと言って冷たいわけでもない。
教室の隅で1人でいる私に声を掛けてくれるのだから優しい人なんだと思う。
男子が苦手なのは今でも変わらないけど、ここまで普通に接する事が出来た人は信ちゃん以外で初めてかもしれない。
ーーーん?初めて?
そこである事に気付く
これってもしかして…
世に言う"男友達"っていうやつなのではないだろうか?
私には一生出来ないと思っていた異性の友達。
だとしたら嬉しい…かも。
治君はどう思ってるか分からないけど、私の中だけで密かに思うぐらいは許されるだろう。
そんな事を考えていると、治君が私を見てフッと笑った