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バレーボール✖️恋

第4章 オリエンテーション合宿



「って無表情に見えて実は微妙に表情変わるんやな?」

『・・・・え?』


自分でも無意識だったし、そんな事を言われたのは初めてで戸惑ってしまう

反応に困り眼鏡をずり上げ視線を彷徨わせていると、



「え?どこが⁇」

と新田君が身を乗り出して私の顔を覗き込もうとしてきた

けどすぐに治君に襟首を掴まれ引き戻されてしまう


「あかん、他のヤツには内緒や。」

「はぁ?内緒って何やねん!気になるやん。」

「お前は気にせんでえぇ。あ、あの2人戻ってきたで?」



私にも何が内緒なのかよく分からなかったけど、坂下さん達が戻って来た事もあり話はそこで終わった





休憩を終え、体力も回復したところで目指すゴール地点まではあと少し。

後ろの方からは笑い声や時折シャッター音が聞こえる中、私は景色を眺めながらただ黙って先頭を歩いていると、


「さん。」


坂下さんが1人駆け寄って来た。
何かあったのかと足を止めると「歩きながらでいいから」と私の横に並んで歩き始めた


その表情はあまり和かなものではなく空気も重い。



ーーーーーえっと何だか気まずいな…。



チラッと横目で伺いつつ、少しだけ歩くペースを落としてみる


茶色の長い髪はサラサラと揺れ良い香りが漂ってくる
森さんはどちらかといえば可愛い系だけど坂下さんは大人っぽくて美人なタイプだ。



「さんてもしかして治君、狙っとる?」

『えっ、、?』


突然の質問に目を瞬かせる


「どうなん?正直に答えて?」


圧を感じる口調に思わずたじろぐ
ここでもし私が頷いたら一体どんな反応をするんだろう。

考えただけで背筋がヒヤリとする
ここは誤解を招かないようにしないと。



『・・・治君とはそういうんじゃないです。』

キッパリと答えた

するとその答えに満足したのか、坂下さんはフッと笑いサラサラの髪を掻き上げた。


「やっぱそうやんな?さんと治君とじゃ不釣り合いやもん。」

『・・・・。』

「せやったらさ、このまま大人しくしとってな?
合宿中、治君の気を引くような真似せんでね」

『うん…。』


一方的に言いたい事だけ言うと坂下さんは後ろへと戻って行った

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