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バレーボール✖️恋

第3章 出会い



よく通る凛とした声にバッと勢いよく振り向く



『信ちゃん、、、‼︎』

信ちゃんは私を見て少し驚いた様子を見せたけど、すぐにその視線を双子へと向けた

信ちゃんの纏う空気がピリッとしたものに変わり、私以外の3人は慌てて姿勢を正している



「侑と治、理由は何であれここは公共の場や、大声出して喧嘩なんかすんな。
それから角名、お前も携帯なんかいじらんと注意せなあかんで?」

「はいっ」「すんませんっ」「はい。」



おっ、おぉ…
まるで調教師。

あれだけ騒いでた双子を一瞬で収める信ちゃんを見て感心する


信ちゃんて実は怖い先輩だったりするのかな?


すると次なる矛先は私へと向けられる


「で、はまた図書室にいたんか?」
『う、うん…』
「こんな時間までいたらあかん言うてるやろ?
暗くなる前に帰らなおばさん心配するで?」
『・・・うん、気をつける。』
「もし今日みたいに遅くなるようなら俺が送ってくさかい、遠慮せんと声掛けてくれてええから。
『・・・ありがと。』


「いやいやいや、心配症か!てか双子との温度差で風邪引いてまうやろ‼︎」

私と信ちゃんのやり取りを静観していたハーフ?っぽい人が漫才師のごとくツッコミを入れてきた

見た目ハーフで関西弁てすごいギャップだなぁ…

信ちゃんの空気が若干和らいだところで双子が何やらコソコソと話し始めた


「・・・・え?何かめっちゃ仲良さげやん。
もしかして北さんの妹…⁇あ、けど苗字ちゃうか……」
「ッ⁈まっ、、まさか、、‼︎」

「「彼女‼︎⁇」」


見事にシンクロした双子の声に、信ちゃんは「ちゃうわ。」と至って冷静に答えた



ーーーー。

その言葉に胸がチクッと痛む。


分かってる。
分かってるけどそんな即答しなくてもいいのに…。


家が近所なんやと話す信ちゃんを複雑な気持ちで見つめる。


「ほな信介の妹みたいなもんなんやな。」

話をきいたハーフっぽい人がそう口にすると「せやな。」と信ちゃんが頷いた。


『っ…』


距離を縮めたくて同じ高校を選んだ
"妹"になりたいわけじゃないんだよ……



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