第3章 出会い
「何、この人と2人は知り合いなの?」
それまで黙っていた切長の目の人が双子と私を見比べ不思議そうに首を傾けている
こんな地味な私と2人が知り合いなのが腑に落ちないのかもしれない
「俺と同じクラスのや。で、こっちはバレー部の角名。」
「どーも。」
飄々とした雰囲気の角名君にペコッと軽く会釈をする
・・・あー、、早くバス来ないかな…。
背の高い男子3人に囲まれて正直居心地が悪い。
治君だけならまだしも、愛嬌のない私はこういう時どうしたらいいかわからない。。。
「てかサム!お前さっきから何1人で座っとんねん!バッグ下におろさんと座れへんやろがい‼︎」
沈黙が流れるかと思いきや、宮侑が治君に食ってかかった
「ツムはうるさいから後ろで立っとけ。」
「はぁ〜⁇うるさいって何や‼︎別にうるさくなんかしてへんわ!
ほなバッグの上座ったろ」
「あ〜!何しとんねん⁈潰れるやろ⁇」
「どかさんサムが悪いんやんか‼︎」
「せやかてほんまに座るバカがおるか‼︎」
「います〜ここにいますう〜〜」
え、、、ちょっと、、、
これって喧嘩が始まっちゃった感じ?
隣でギャーギャーと口喧嘩をする2人を前に、どうしたら良いのかわからず救いを求めるように角名君に視線を投げかけた
けれど
「いつもの事だから気にしないで。」
と知らん顔で携帯をいじり始めてしまった。
え?放置??
いつもの事なのかもだけどバスが来る前に止めた方が良いんじゃ…
案の定、双子の喧嘩はエスカレートしていき今にも手が出そうになっている
『ちょっ、、あの〜、、、もうすぐバス来るから、、、』
とりあえず声を掛けてみるものの、兄弟のいない私には喧嘩の仲裁の仕方なんて分からない
ど、どうしよう、、、
ついにお互いの胸ぐらを掴み掛かったその時
「お前ら何しとんねん。」