第3章 出会い
「あれ?やん。今帰りか?」
俯いて身を小さくしてたけど、どうやらバレていたらしい。
『あー…うん。』
顔を上げ振り向くとそこには宮兄弟ともう1人、バレー部らしき男子が立っていた
宮侑は私だと気づくなり「うわぁ…」とあからさまに顔を歪ませている
「こんな時間まで勉強してたん?」
『えっと…本、読んでたら遅くなっちゃって…。』
治君だけならまだしも、何となく居心地が悪くて俯きがちに返事をする
すると治君は私の隣に腰を下ろし、空いたスペースにドサッとバッグを置いた
「こんな時間に女の子が1人でおったら危ないで?」
・・・女の子?
一瞬、自分の事を言ってると分からずキョトンとしてしまう。
女の子扱いされた事なんて今までなかったから。
『いや、、だいじょ』
「大丈夫やんなー?大人しそうに見えて実は怪力の持ち主みたいやし〜⁇
あー何か急に古傷が痛み出してきたわぁ」
私の言葉を遮った宮侑は嫌味ったらしく足をさすっている
ーーーーーこの男、、、‼︎
思わずジトッとした目を向けると、ニヤ〜と意地の悪い笑みを浮かべていた
「お前足なんか痛めてないやろ。何言うてんねん」
「足ちゃうか、つま先やったか。」
おちゃらける宮侑を見て、昨日は足を踏みつけて(少し)申し訳無かったかも、と思ったけどどうやら心配いらないようだ。
ーーーーそれにしても、改めて見るとほんとに双子なんだな…
髪色と分け目が違うだけでほぼ同じ顔をしてる。
性格は全然違うけど。