第13章 2回目の夏
『フフ、何か……照れるね。』
「おん…。てか俺今めっちゃニヤニヤしとるからあんまこっち見んといて?」
『え?そうなの⁇治君のニヤニヤした顔、見たい〜』
「あかんて、今まで俺の築き上げたイメージが台無しや。あ、コラッ!」
大きな瞳をキラキラさせながら俺の顔を覗き込もうとしてくる。
『フフッ、ニヤニヤしてる〜』
出会った当初からは考えられないぐらい表情が豊かになった、と笑いを溢す彼女を見てつくづく思う
何気ない仕草一つが可愛くて俺の目を釘付けにしてしまう
「そうやって隣で笑っとってな?」
『⁇』
「のこと大事にするさかい。」
自分の有り余る熱を分け与えるようにひんやりとした手をギュッと握る
『うん…。』
この日、俺に彼女が出来た。
幸せの絶頂なのも束の間、その後不運は訪れた