第13章 2回目の夏
角名君の言う通りかもしれない
「両想い」なんてものは本当に奇跡みたいなもので。
それは信ちゃんに片思いしてた時に身をもって経験したから分かる。
自分に好意を寄せてくれる人がいるなんて有難い事だと思うし、出来れば応えたいとも思う。
しかも相手は治君
気を許せる数少ない友人、それに今まで何度も私のピンチを救ってくれた人
大切な人ーーーー。
そんな時、バチャーンッと大きな水音が聞こえ川の方へと目を向けると大きな岩から飛び込みをする双子と子供達の姿が見えた
ゲラゲラと笑いながらはしゃぐ双子の姿はいつもより幼く見えてーーーー
『ふふっ、楽しそ…』
つられるように笑みが漏れていた
そんな私の横でまるで独り言を言うように角名君がポツポツと話し始めた
「・・・最初はさ、ちょっと面白がってたんだよね。
彼女とか興味無さそうにしてた治が珍しく女といるから。
しかもその子はいかにも真面目そうで根暗なメガネ女子だし(笑)?
恋愛未経験で奥手な感じだしチョロいだろうな〜って、見た目は真面目風でもどーせ双子の取り巻きと何ら変わらないだろって。」
ーーーーえっと〜。つまりそれって私、、、ですよね、、、?
そう思いつつも、何だか口を挟んじゃいけない気がして開きかけた口を閉じる
「・・・けど治に気に入られてんのは明らかなのにその子、全然浮かれないし。むしろ周りの目気にしてさらに気配消そうとしてるし。
でも案の定、妬まりたり陰湿なイジメ受けて嫌な思いばっかりしててさ……何か見てるこっちが苛つくぐらい要領が悪いんだよね。」
チクチクと針で胸を刺されてるかのような感覚…。。。
さすが角名君、おっしゃる通りでございます……
ハハ…と引き攣り笑いを浮かべていると、それまで遠くを眺めていた切れ長の瞳が私を映した