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バレーボール✖️恋

第13章 2回目の夏




「誰が大人だよ。」


タープを張りながら一部始終を見ていた角名君がたまらずツッコミを入れ、思わず私も吹き出してしまった


「てかあいつら泳ぎに行くの早くない?まだ着いて5分も経ってないんだけど…。」

『そうだね(笑)川見た瞬間に服脱ぎ始めてたから…。あ、角名君も行ってきていいよ?タープだけ張れたらあとは私1人で大丈夫だから。』

「え?ちゃんの中で俺も川ではしゃぐタイプだと思われてんの?」


心外、と言わんばかりの顔をする角名君を見て慌てて首を横に振る

『あっ、いや、、そういうんじゃないんだけど……。
暑い中手伝わせちゃって申し訳ないなと思って。良かったら足だけでも浸かってきたらどうかなと思っただけで……。』

「いやいや、そんな気ぃ遣わないでいいって。川入りたくなったら入るし。
それに暑い中ちゃん1人に仕事押し付ける程俺は子供じゃないから。」


角名君は小学生と戯れる双子を一瞥すると肩を竦めてみせた。


『・・・ありがとう。』

「ん。屋根出来たし休憩しよ、椅子持ってくる。」

『あ、じゃあ私は飲みもの出しておくね。』


クーラーボックスから冷えたジュースを2本取り出しタオルで水滴を拭き取っていく


角名君は最初はとっつきにくくて掴み所がない人だと思ってたけど、最近はだいぶ印象が変わってきた。

双子を挑発して面白がるのはいつもの事だけど、普段は落ち着いてて周りを良く見ているし、何より浮き沈みのない一定のテンションが自分と似ている気がして。
案外気が合う事に最近気づいた。



「それにしてもあの銀島に彼女が出来たとかマジでびっくりなんだけど。」

『うん、私も急展開で驚いたけど……
でも銀島君と黒沢さん、今日改めて2人でいるのを見てお似合いだなって思ったよ。実はずっと両思いだった、なんて素敵だな…』


椅子を差し出してくれた角名君にペットボトルを手渡しながら炊事場の方へ目を向ける
遠目ながら仲良さげに寄り添う2人の姿が見えて何だか幸せな気持ちになってくる



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