第13章 2回目の夏
「ほな海で決定やな‼︎」
パンッと机を叩く宮侑を一瞥する
さっきまで居眠りしてたとは思えないテンションだなぁ…
「海かぁー…暑いし海水はベタつくからな〜…」
「角名お前いつからそんなジジ臭くなったんや⁈海に行ったら合理的にビキニのオネーサンが見れんねんで?あわよくば一緒にビーチバレーとか出来るかもしれへん‼︎」
「いや、、それ皆んなで行く意味ある?」
「あるやろ‼︎ビキニのオネーサンを横目に皆んなで波打ち際ではしゃぐんが青春やんか‼︎」
「・・・ツムはこう言うとるけどは?波打ち際ではしゃぎたい?」
『いや、全然。全く。』
即答すると「俺もー。」と角名君が続き、黒沢さんも「私も海はちょっと、、」と言葉を濁した
「ちょ、待て待て待て‼︎夏と言ったら海やろがい‼︎‼︎てか海以外どこ行くっちゅーねんっ⁈⁈」
「遊園地……?」
「夏の遊園地は暑いから却下。炎天下であの列並ぶとかムリ。」
「ほなプールがええんちゃう⁇」
「ごめんなさい…私、泳ぐ系はちょっと、、、」
「ほな室内で1日遊べるとことか?」
「うーん…悪くないけど何か普通。」
「せっかくの夏休みやで?もっと特別なとこがええなぁ〜」
「特別ねぇ〜、、、」
あれこれ意見は出るけど、なかなかコレというものが決まらず皆が首を捻る中
私は子供の頃ーーー
まだ父がいた頃の夏を思い出していた
数少ない家族の思い出の一つ
アウトドアが好きだった父に連れられキャンプ場へ行き、釣りやバーベキューをしたのを覚えてる
釣り堀なのにマスが1匹しか釣れなくて、お父さんとお母さんと3人で分けて食べたっけ。
塩焼きにしたマス、美味しかったなぁ。
それから川でいっぱい遊んで、バーベキューして、、、
ーーーーその年の夏は楽しかった
今思えばそれが3人で過ごした最後の夏だったのだけれど。
忘れかけていた懐かしい記憶に心が動く
またあの時みたいに特別な夏の思い出を作りたい…そう思った。
『・・・デイキャンプ、、はどうかな?』