第3章 出会い
その日は珍しく信ちゃんからバレーの話を切り出してきた。
私は正直、バレーに詳しくない。
もっと言うとバレーボールに興味はなく、信ちゃんに興味があるのだ
『へぇそうなんだー』と信ちゃんのお婆ちゃんが用意してくれたお菓子を摘みながら相槌を打つ
「特にあの双子。とにかく負けず嫌いやしムラっ気はあんねんけど、あの2人は俺らの想像をこえてくるようなプレイをしてきよんねん」
そう話す信ちゃんの表情はいつもより少し幼く見えて何だか楽しそうだった
"あの双子"
宮兄弟の事だ。
2人は中学バレーでもかなり有名な選手だったらしい(クラスメイトが話してるのを聞いた)
だからあんなにキャーキャー言われてたのかと後から納得した
それにしても信ちゃんにこんな表情をさせるなんてあの2人は一体何者なんだろう…。
少しだけ、ほんの少しだけ双子に興味が湧いた