第11章 球技大会
ボンッ
勢いを殺したボールは綺麗に真上へと上がる
で、、出来た‼︎‼︎‼︎
練習で何度も失敗したアンダーがこんなに綺麗に上がったのは初めてだった
「ナイスッ‼︎」
「さん凄いやん‼︎」
チーム内から賞賛の声が上がる
腕はジンジンと痛いけれどそれ以上に気持ちは高揚していてーーー
無意識にアイツの姿を探し振り向いた
今のはただの偶然。
だけど身体が勝手に動いたのはきっとアイツの特訓のお陰だと思うから……。
目が合った瞬間、宮侑は子供みたいな笑顔でニカッと笑うとガッツポーズをした。
『ぷっ、、、』
まるで自分が決めたみたいな喜び方に思わず吹き出すと、宮侑の顔がみるみる赤くなった
ーーーでもそんな風に喜んでくれるなんてちょっと嬉しいかも。
その後真上に上がったボールはうちのキャプテンが相手コートへと押し込み試合終了の笛が鳴った
「「勝ったーーーー‼︎‼︎」」
チームの皆んなと歓喜のハイタッチを交わし勝利を分かち合う
スポーツをしてこんなにワクワクしたのは初めてかもしれない…
心臓、バクバクする……‼︎
「さん!さっきのレシーブ、めっちゃ凄いやん⁈」
「めっちゃ練習頑張ったさかい、その成果やね!」
「次の試合も期待しとるよ‼︎」
試合が終わってからもチームの皆んなが声を掛けてくれて、あのきつ〜い練習も無駄にならなくて良かったと思うと同時、鬼コーチにも密かに感謝した。