第11章 球技大会
「随分変わったボールやなぁ〜」
コーヒー牛乳をマジマジと見ながらふざけ始めた
あ、あれ?
目は笑ってないけど意外に怒ってないかも……⁇
てっきりまた怒鳴られるかと思って身構えちゃったじゃん。
『そ、、そうでしょー?』
と笑顔を貼り付けコーヒー牛乳を掲げて見せた
「しかもこのボール冷たくて美味そうやな、さっきまで丸かったボールがこんな姿に、、、ってなるかボケェッ‼︎‼︎ジュースなんか買いに行っとらんで早よボール拾いに行かんかい‼︎‼」
『ひぃっ、、、』
ごめんなさい〜‼︎と逃げるようにしてボールを取りにまた走る
そんな私の情け無い姿に、
「ちゃん頑張れ〜〜」
と角名君が涼しげな笑みを浮かべながら手を振ってきた
笑顔をつくる余裕もない私はコクコクと首を縦に振るのが精一杯で…
キツくてやっぱり楽しむ余裕なんて無いかも…と思いかけた時
この日初めてクラスの女子から「さん頑張れ〜」と声を掛けてもらった
それは冷やかしでもなく、純粋に私の事を励まそうとしてくれていて。
たったそれだけの事なのに、何だか無性に嬉しくなって腕の痛みも疲れも吹き飛ばしてくれた