第11章 球技大会
「、受け取ってや?」
『えっ⁇何っ⁇』
治君の手から落とされた物を何とかキャッチするとそれはパックのコーヒー牛乳だった
『コーヒー牛乳、、、⁇』
「腕、赤くなってるんちゃう?それで冷やしとき。」
え?と自身の腕に目線を落とすと、汚れないようにと腕捲りをしたシャツから出た腕は熱を持ち赤くなっていた
ーーーほんとだ、、、。
『・・・いいの?』
「えーよ。ツムに取られんようにな?」
『ふふっ、そうだね。ありがとう…』
治君は片手を上げニコッと笑うと窓から離れて行った
ーーーー治君、優しいなぁ。
治君の優しさと冷たいコーヒー牛乳が疲れを吹っ飛ばしてくれた気がする
それに治君の言う通り、せっかくだから私も楽しくバレーしたいな…。
足手纏いかもしれないけど明日からは皆んなの輪に入って練習させてもらおう。
その為にも、、、よしっ‼︎
気合いを入れ直し鬼コーチの元へと走って戻るとーーー
鬼は腕を組み、不機嫌そうに眉を顰めていた
「遅いっ!ボール拾いに行くのにどんだけ時間かかってんねん‼︎」
『そのー、、ちょっと色々とありまして、、、』
「色々って何やねん。てかその手に持っとるのはボールか?」
鬼は口元をひくつかせながら私の手にしている物を指差した
『ーーーーえ。』
ない。
えっ?ボールがない⁇⁇
ギョッと目を見開き固まる
手にはコーヒー牛乳が握られていて肝心のボールは置き去りにしてきてしまったのだ
やば、、ボールの事忘れてたーーーー‼︎‼︎
コーヒー牛乳を貰って機嫌良く帰って来るとか恥ずかし過ぎる…‼︎
自分の間抜けさにショックを受けつつも、目の前の人物にチラリと視線を向けると腕を腰にあて薄い笑みを浮かべていた
けどその目は笑ってなくて、、、