第11章 球技大会
「何やさっきから‼︎人がせっかく教えたる言うてんのに‼︎
素直に"お願いします〜"って言えんのかい⁈」
『だから大丈夫だって…もうしつこいなぁ、、』
思わず漏れ出た本音に「あ。』と手で口を覆うけど時すでに遅し。
「しっ、、しつこいやと〜〜⁈⁈」
大きな声が廊下に響き渡る
するとすぐ近くのドアが勢い良く開き鬼の形相をした先生が顔を出した
「コラァッ‼︎お前ら何を騒いどるんや⁈チャイムとっくに鳴ったやろ!早よ教室戻らんかい‼︎」
「はい〜〜‼︎すんませんっ‼︎」
やばっ‼︎もうチャイム鳴ってたんだった‼︎
ーーーって、あれ、、?
そこでようやくこの場に私と宮侑しかいない事に気が付く
『あ、あれ?あの2人は、、、?』
「はぁ?とっくに先戻ってたやん。てか俺らも早よ行くで?」
嘘……‼︎
ムキになって言い合いしてたせいか全然気付かなかった…‼︎
「ほら早よ走れっ‼︎」
『ちょ、ちょっと、、、』
もたつく私を見兼ねたのか宮侑は私の手を取ると引っ張るようにして走り出した
廊下の窓から風が吹き抜け金色の髪が揺れる
何よ……
自分だけ先に走って行けばいいのにーーー
さっきまで言い合いしてたくせに調子狂うじゃん……。
ムズ痒い気持ちで大きな背中を見つめる
この男は苦手なタイプだし一緒にいると腹が立つ事ばかりだけど、時々こうしてらしくない一面を見せるから戸惑ってしまう
私が熱を出した時もそうだけど本当に困った時は手を差し伸べてくれる、、、
だからか
心底嫌いにはなれないんだ。