第10章 2回目の春
『・・・・黒沢さん?』
「いきなり話しかけてごめんねっ、、、さんは1人……?」
黒沢さんはおどおどとした様子で周りを気にしている
『1人、ですけど、、、』
「私も1人なんやけど、、、よ、良かったら一緒に行かへんかな、って思って、、、」
『・・・・行くってどこへでしょう……?』
首を傾け尋ねると、黒沢さんの顔がみるみる赤くなっていく
「ご、、ごめんなさいっ‼︎てっきりさんも体育館に行くんやろうなって、勘違いやったね…。」
『あ、いえ、、、体育館に行こうとはしてたんです…。
知り合いの先輩から面白いものが見れるから来てってメールがあって…。
けどその面白いものが何なのか知らずに来てしまって、あの集団を見て尻込していたところなんです……』
ははは、と苦笑いを浮かべると、黒沢さんの顔がパァッと明るくなった
「それやったら私と一緒に行ってもらえませんか⁇」
『・・・・・え?』
キラキラと目を輝かせる彼女を前に、すでに帰ろうとしてたなんてとてもじゃないけど言い出せなかった。