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バレーボール✖️恋

第10章 2回目の春


「なぁ、あのメガネの人って誰?」
「知らな〜い。あんな子おったっけ?」
「私知っとるで!治君と仲良いって噂の子やろ?」
「え⁈嘘やろ?あんな地味でパッとせぇへん子が?」
「"仲良い"じゃなくて治君のストーカーちゃう?」
「てかあの子さぁ1年の時のオリエンテーションで侑とガチ喧嘩しとった子やん!マジで仲悪いんやな、ウケる〜(笑)」



ヒソヒソとあちこちから聞こえてくる会話に思わず耳を塞ぎたくなる


ーーーーホント最悪…‼︎‼︎
これだからこの男には関わりたくないんだ……。


けど、そんな周りの声が聞こえていないのか宮侑は興奮気味に食い付いてくる


「メガネもメガネや‼︎男慣れしてへんからって誰にでも連絡先教えんのはどーかと思うで⁇」


どの口が言ってんだ…?
ついさっきまで女子とメール交換しまくっていたヤツが何を言ってるんだろう。


『・・・・誰にでも教えてない。
私だって教えても良い人と教えたくない人の区別ぐらいあるから。
少なくともアンタには教えたくない。』


至って冷静に、キッパリと言い返すと宮侑の額にピクッと筋が立った。


「おまっ、、ほんまそーゆうとこや‼︎そーゆうとこが可愛いないねんっ‼︎‼︎少しは愛嬌というもんがないんか⁈」

『残念ながら。』


プイ、と前を向き直る。
これ以上言い合いなんてしたら平和に過ごそうと決めたこの1年が終わる……ムキになったらダメだ。
初日が大事、初日が、、、大事、、、。


呪文を唱えるように気持ちを鎮めているとタイミング良くチャイムが鳴った



「ーーーーーー笑っとるくせに。」

宮侑が吐き捨てるように何か呟いたけど、チャイムと重なってよく聞き取れなかった。


それからすぐに担任が入ってきた事もあり宮侑は大人しく席に戻って行ったけどーーーー
そもそも今のは角名君がふっかけたのが悪い気がするような……。

そっと隣を盗み見るも本人は涼しい顔で携帯をいじっている。


飄々としてて何だか掴みどころのない人だなぁ…。

この1年、このクラスでやってけるのかな、私。。。


こうして不安でいっぱいの中、2年目の高校生生活が幕を開けた。







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