第2章 稲荷崎高校 入学
うわぁ…
正直ドン引きである
外面良くニコニコと女の子達と連絡先を交換する金髪の彼を見て、思わず顔を歪ませた
ーーー女たらしの遊び人、正に私の1番嫌いなタイプ
心の内で舌打ちをし、視界から消すように手元の本へと意識を集中させる
・・・・あぁ、もう…早くチャイム鳴らないかな。
甘ったるい声があちこちから聞こえてくるせいで集中できないでいると
「すまんな、あいつうるさいやろ。」
『はい。・・・あっ、、、』
思わず即答してしまい慌てて口を閉じる
声を掛けてきたのは隣に座る双子の片割れ、宮治君だった
さっきまで宮治君を囲っていた女子はどうやら金髪の方へと行ったらしく彼の席の周りはスッキリしていた
しまった、、つい本音が、、、。
とりあえずペコッと頭を下げ、本を読むふりをしてみる
「ふっ、アンタ、、えっと〜やったっけ?
変わっとるな。」
何故かこっちを見て笑っている。
『・・・・。』
「俺宮治。席隣やしこれからよろしゅうな?」
同じ顔をしていても、宮治君の方は落ち着いてるように見える。
私は本に栞を挟みそっと閉じると
『です…。宜しくお願いします…。』
ペコッとお辞儀をした。
「堅苦しいな(笑)」と笑う顔は確かに整っていて女子達が騒ぐのも頷ける。