第2章 稲荷崎高校 入学
「サムーー?さっきから誰と話しとんねん?」
「お前にはカンケーない。用済んだら早よ自分のクラス戻れ。」
一通り連絡先を交換し終えたのか、金髪が目の前へとやって来た
・・・うわっ、、
関わりたくなくて本を開くふりをして慌てて顔を伏せる
けれど何を思ったのか、金髪は私の席の前にしゃがみ込むと下から顔を覗き込んできた
「ふーーん。」
ほんの一瞬だけ目が合ったけど、金髪はフンッと鼻で笑い
「地味な陰キャには興味ないわ。ほな、サムまた放課後な〜。」
そう言い捨てると後ろ手にひらひらと手を振りながら教室を出て行った
"地味な陰キャ"
まさにその通りだし特に気になどしていなかったけど、何故か宮治君が申し訳なさそうに「すまんな」と謝ってきた
『いえ…』
宮治君が謝ることないのに。
双子とは言え、性格は全然違うんだなぁ。
ーーーそれにしても……
あっち(金髪)と同じクラスじゃなくて良かった、と密かに毒づいた