第9章 初恋のおわり
「ほな行こか♡」
自身の持つ鞄とは逆の肩に私の鞄を掛けると、スタスタと校舎の方へと歩いて行ってしまう
ーーーーえ?
これって鞄を返して欲しかったら着いて来い、的な感じ、、、?
えっ?ちょっと強引過ぎません⁇
野崎さんてこんな人なの⁇
そもそも私、何かいけない事したっけ…⁇
てかこのまま人気の無いとこに連れてかれてボコボコにされちゃうのかな………
失恋した上、先輩にボコボコにされるとかついてなさ過ぎ…。。。
絶望感と悲壮感で重くなった足を引きづるようにして野崎さんの後を着いて行く
そして辿り着いたのはーーー
『・・・・屋上?』
「ほら、そんなとこ立ってへんでこっちこっち‼︎」
野崎さんがフェンスの前にあるベンチに鞄を下ろし手招きしている
さっきまでの圧は消え、いつものキラキラオーラ全開の笑顔。
・・・・油断させて近づくなり殴る、とかないよね?
疑念を抱きつつ、恐る恐る近づくと野崎さんはプッと吹き出した
「そんなビクビクせんといてよ〜!私が無理矢理引っ張って来たみたいんか〜」
『・・・・。』
実際そうですよ、と言いたかったけどそれはぐっと飲み込んだ
「ふふっ、とりあえず座ろっか?」
『・・・・はい。』
殴られなかった事に安心しつつも、野崎さんとは少しだけ距離を空けてベンチに座った