第9章 初恋のおわり
これが居間だったらこんなに意識はしなかったのかもしれない
信ちゃんの家だったら2人で笑って終わったかもしれない
2人きりの狭い空間と高鳴る心臓の音がーーーー
これまでずっと信ちゃんには嫌われたくない、と良い子でいた私を壊した
支えてくれた腕が緩み、離れようとする信ちゃんに私は正面から抱きついた
『信ちゃん……』
「・・・⁇」
背中に腕を回しギュッとブレザーを握りしめる
「どうしたん?」
信ちゃんの声に困惑の色が混ざる
大好きな信ちゃんが困ってる……
困らせてるのはーーーー私。
頭では分かっているのに気持ちが抑えられなかった
『好き……』
信ちゃんの胸に顔を埋め、小さな声でそう呟く
『近くにいるだけで良い 見てるだけで良いって……ずっと思ってた
なのに好きって気持ちがどんどん大きくなって………
幼馴染とか、妹のような、、とかじゃなくて。
私、信ちゃんのトクベツになりたい……。』
人生で初めての告白は
あまりに辿々しくて今にも消え入りそうな程自信のない声だった