第9章 初恋のおわり
静かな部屋に流れる沈黙
ほんの数秒の沈黙が死ぬほど長く感じた
信ちゃんの反応を見るのも、聞くのも怖くて胸に顔を埋めたままギュッと目を瞑ると
トントン
優しく背中を叩かれた
「」
私の名前を呼ぶ声は相変わらず優しくて
「・・・俺にとってはトクベツ、やで?」
『・・・・』
まるで子供に言い聞かせるようだった
その口調と間合いで私には充分過ぎるぐらい信ちゃんの気持ちは伝わってきてーーーー
「・・・・けど、の言う"トクベツ"とはちゃう。」
涙が溢れた
顔を上げなくても信ちゃんが今、どんな顔で私を見てるのか痛いぐらいに分かる
人一倍優しくて思いやりのある人。
そんな顔、、、、させてごめんなさい
ボロボロと溢れる涙が信ちゃんの制服を濡らしていく
『っ、、、』
「こんな言い方したら余計に傷付けてしまうかもしれんけど……
俺にとっては……
大事な家族みたいな存在やねん…。」
傷付けないよう言葉を選んでくれてるのがひしひしと伝わってきた
"大事な家族みたいな存在"
そんな風に想ってくれてるだけで充分だよ、、、
「ごめんな…。」
『うぅっ、、、』
声に出すと嗚咽が漏れそうでぶんぶんと首を振る事しか出来なかった