第9章 初恋のおわり
「?具合どうや?」
『し、ししっ、、信ちゃんっ⁈⁈』
驚き過ぎて声が裏返ってしまう
「こんな時間にすまんな。玄関先でおばさんに様子だけ聞くつもりやったんやけど……部屋で退屈しとるから会ってけって背中押されてもうて。」
お母さん〜〜‼︎‼︎
それならそうと先に声掛けてよ〜‼︎‼︎
私は慌てて椅子に掛けていたカーディガンを羽織りボサボサの髪を手櫛で直した。
『こんな格好でごめんね、てか信ちゃんは部活帰りだよね?お母さんが強引に連れ込んで……ごめんなさい。』
私はパジャマだというのに信ちゃんはきっちり制服を着ている
こんな時間まで部活をしてきて疲れてるに違いない。
けど信ちゃんは疲れたような顔は一切見せず、手に持っていた袋を手渡してきた
「すまんな。ほんまはもっと早くに来たかったんやけど、今部活が忙しくて。今日はわりと早く終わったさかい、コンビニで適当に買うて来た。」
『えっ?わざわざ?』
袋を受け取り中を覗くと、スポーツドリンクや栄養ドリンク、それに美味しそうなプリンが入っていた。
『嬉しい…‼︎ありがとう……。』
「もう寝るとこやろうし明日にでも食べ?」
『うん!明日の朝の楽しみにする!』
笑ってそう答えると、信ちゃんは目を細めて私の頭を優しく撫でた
けどその手はすぐに離れーーー
「元気になったようで安心したわ。
今日は早よ休むんやで?」
『・・・ぇ』
律儀にも部屋の中に足を踏み入れないまま帰ろうとする信ちゃん。
ここ数日の寂しさもあり、気付けば信ちゃんの手を掴んでいた
『ーー少しっ、、もう少しだけ話し…、、付き合って欲しい……』