第8章 雨の後…
「よし、ほな行くか。てか身体あっつ‼︎何でこんなんなるまで我慢しとったんや。」
『・・・・。』
「ま、えーけど。」
ゆらゆらと揺れながら廊下を歩き階段を降りて行く
大きくてガッチリとした背中は思いの外安定感があって、チャラチャラしていてもやっぱりスポーツマンなんだな、と少しだけ感心した
ぼんやりとする視界に柔らかそうな金髪がチラチラと映る
ーーーーこんな面倒事、嫌がりそうなのに。
文句も言わず、階段をゆっくり降りてくれるのは私を気遣ってくれてるからなのだろうか
ーーーー意外と優しいとこもあるんだな…。
シャツ越しに伝わる体温が心地良くて重い瞼が閉じそうになる
おんぶなんて最後にしてもらったのはいつだろう
熱のせいかうまく回らない思考を辿ってみても思い出せない
人の体温てこんなに気持ち良いんだ………
肩口に顔を埋め、保健室に着くまでの間だけ……
とそっと目を閉じた