第8章 雨の後…
『・・・・。』
え?まさかホントにおぶる気?
思いもよらない行動に戸惑い身動き出来ないでいると、宮侑が肩越しに振り向いた
「何しとんねん、早よ乗らんかい。」
『・・・・。』
どうしよう、と助けを求めるように側にいる角名君に視線を向けると、
「侑じゃ不満?それともーーー」
角名君は徐にポケットから携帯を取り出すと、宮治と表示された画面を私に見せてきた
「治呼ぶ?」
『っ、、』
探るような目がじっと私を捉える
ーーーー治君ならおんぶされても良い、とかそう言う事じゃないんだけどな……
その間も宮侑は手をヒラヒラさせて早く乗れと言わんばかりに急かしてくる。
うーーー。。。
考えるのもしんどくなってきた私は渋々……
『・・・・お願い…します…』
宮侑の背中を借してもらう事にした。
蚊の鳴くような声を絞り出し、遠慮がちに肩に手を乗せてみる
「しっかり掴まっとき?」
『・・・・はい…』
「よっしゃ、ほな立つで〜。」
私が掴まったのを確認すると宮侑は私を背中に乗せてゆっくりと立ち上がった
180は優に超えてそうだなとは思ってたけどやっぱり背高いなぁ…
視界が全然違う…。
「角名、メガネのパンツ見えてへんよな?」
『え…?』
ーーー今、パンツって言った?
「んー、スカート長いから全然へーき。」
角名君は私の背後に回りパンツが見えてないか確認しているようだ。
・・・ちょっと、何その確認‼︎恥ずかし過ぎるんですけど‼︎
ほんとこういうところがデリカシーに欠けてる、とつくづく思う
元気があれば肩を思い切り叩いてやりたいところだけど今は大人しく後頭部を睨むだけにする