第8章 雨の後…
「・・・・・あの後北さんと何かあったん?」
『ん?何かって…?』
首を傾けると治君はバツが悪そうに片手で口を覆った
「いや、すまん…何でもない。
それより保健室まで一緒に行くか?」
『…ううん、大丈夫だよ。じゃあ少し休んでくるね』
治君の様子が気になりつつも、とりあえず今は横になりたくて保健室へと向かった
昼の時間というのもあり、廊下は騒がしく大きな笑い声が頭に響く
ーーーーあ〜、、、これは結構熱上がってるかも、、、。
念の為とは言えマスクをしてきて良かった。
コホッコホッ、と咳込みながら背を丸め廊下の端を歩いていた時だった
ドンッ
「あ、わり。」
向かいから勢いよく走って来た男子と肩がぶつかりぐらり、と視界が揺れーーーー
ドサッと尻餅を着いてしまった
『〜〜〜っ、』
尻餅を着いた衝撃より、頭痛と目眩ですぐに立てないでいると、ぶつかってきた男子が不機嫌そうな顔で見下ろしてきた。
「おいおい、リアクション大袈裟すぎやろ?そんな思いっきしぶつかってへんで?」
『・・・・っ』
違う。
具合が悪いんです。
そう言いたいのにグラグラと揺れる視界のせいで声が出ない
「ちっ、シカトかい。」
目の前の男子は苛立ったように舌打ちし、立てない私の前にしゃがみ込んだ。