第8章 雨の後…
そう、昨日は完全に浮かれていた。
いつもならちゃんと体調管理するのにー…
枕元に置いておいた白くふわふわした小さなマスコットをツンと指先で突いてみる
ーーー風邪引いたなんて信ちゃんが知ったら怒るかな、、、、、
そう思い何とか身体を起こし身支度をする
"病は気から"
って言うし風邪じゃないと思えば大丈夫な気がする‼︎
半ば強引に自分に言い聞かせ、枕元に置いたマスコットに手を伸ばす
ーーーーこの子と一緒なら元気でるかも。
そう思い、学校の鞄にマスコットを付けると不思議と気怠かった身体が軽くなった気がした。
のはやっぱり気のせいだったのかもしれない
『コホッコホッ、、、』
「、保健室行くか?体調悪なってるやん。」
『コホッ、、うーん…。そうしようかな…。』
調子が良いと勘違いしていたのは朝だけで。
午前中の授業が終わったところですでに体調は最悪だった
「傘なくて身体冷やしたせいやんな…ほんまゴメンな?」
治君の眉が申し訳なさそうに下がり、私は慌てて首を横に降った
『違うからっ!治君は悪くないよ?
あの後すぐに家に入らなかった自分がいけないの。
だから自業自得、だね。』
治君に傘を押し付けたのは私だし、そもそも浮かれて濡れた身体を放置して招いた結果がコレなのだ。
だから治君が悪く思う必要は1ミリもない。
心配させないように笑顔を貼り付けて見せるけど、治君は何か思いつめたような表情で、じっと私の目を見つめてきた。